腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢については、菌分離によって確定診断が行われる。起因菌であるチフス菌、パラチフス A 菌、赤痢菌については薬剤耐性に関する動向調査は存在しないことから、疫学調査のための通知に基づいて送付される菌株の感受性試験が国立感染研究所において実施されている。赤痢菌の薬剤耐性に関する情報は GLASS に報告するデータとしても活用されている。
疫学調査のための通知(健感発第 1009001 号、食安監発第 1009002 号)に基づいて送付される菌株について薬剤感受性試験が実施されている。薬剤感受性試験では、微量液体希釈法(チフス菌、パラチフス A 菌)、ディスク拡散法(赤痢菌)を用いて、CLSI から示される基準に従って判定が行われた。
腸チフス、パラチフスは抗菌薬治療が必須であり、治療に有効な薬剤を適切に選択するためにも継続的な動向調査の実施が必要である。細菌性赤痢ではキノロン等の一般に使用される薬剤への耐性率が高く、抗菌薬を投与しても再発の可能性があり、国内での感染拡大の可能性もあることから、注意が必要である。
AMR 臨床リファレンスセンター
AMR ワンヘルス動向調査
院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)
感染症発生動向調査事業(NESID)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2270-idwr/nenpou/6980-idwr-nenpo2015.html
動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)
公益財団法人結核予防会結核研究所疫学情報センター
抗菌薬使用動向調査システム(JACS)