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平成 30 年の厚生労働科学研究費食品安全確保推進研究事業による食品から分離される細菌の耐性状況は以下のようになっている(平成 30 年度厚生労働科学研究費補助金食品安全確保推進研究事業総括研究報告書:研究代表者 渡邉治雄)。日本全国 23 の地方衛生研究所の協力のもと、食品(主に鶏肉)を汚染しているサルモネラ、大腸菌、カンピロバクターの分離および薬剤耐性の測定を標準化された方法を用いて実施した。サルモネラに関しては、2015~2018 年に分離された患者由来の 40.3%、及び食品由来の 89.6%が、18 剤中の 1 剤以上に耐性を示した。ヒト患者由来株のうち食品からも分離された血清型、S . Infantis、S . Schwarzengrund、S. Manhattan 株ではヒト患者由来株と食品由来株の耐性傾向に強い類似性があり、食品由来耐性菌とヒト患者由来耐性菌との関連が強く示唆された。一方、大腸菌については、2015~2018年分離のヒト患者由来の 36.3%、及び食品由来の 56.3%が 1 剤以上に耐性を示した。カンピロバクター株については、共通のプロトコル及び判定表を新規に作成し、統一した方法で感受性検査と判定を行った。C . jejuni 株ではヒト患者由来株と食品由来株の耐性傾向に強い類似性があり、食品由来耐性菌とヒト患者由来耐性菌との関連が強く示唆された。さらに、健康者由来の大腸菌 360 株を対象に 17 薬剤に対する薬剤感受性試験を実施した。いずれか 1 薬剤以上に耐性を示した株は 37.5%であった。その中にはCTX耐性は 5.3%,フルオロキノロン耐性は 9.4%が存在した。健康者由来の大腸菌もかなりの高い耐性率を示した。(食品から分離されるサルモネラの耐性の詳細データについては、(1)-④-ⅱ の Non-typhoidal Salmonella spp. の項に記載した。)
また、東京都健康安全研究センターが行った市販流通する鶏肉から分離された大腸菌(国産鶏肉から分離された 241 株、輸入鶏肉から分離された 36 株)の薬剤耐性率は、KM(国産 35.7%、輸入 8.3%),TC(国産 46.9%、輸入 19.4%)、ABPC(国産 42.3%、輸入 27.8%)、CP(国産 22.8%、輸入 5.6%)、ST 合剤(国産 29%、輸入 19.4%)、SM(国産 37.3%、輸入 30.1%)、NA(国産 19.9%、輸入 36.1%)、GM(国産 5%、輸入 19.4%)であった。国産鶏肉由来株のCTX 耐性率は 2012 年には 10.1%であったが、2015 年は 3.6%,2018 年は 5.8%と減少していた。プラスミド性コリスチン耐性遺伝子保有大腸菌は国産鶏肉で 4 検体(2.5%)から検出されたが,輸入鶏肉では検出されなかった。耐性遺伝子はいずれも mcr - 1 であった。 mcr - 1 が検出された鶏肉は,レバー 3 検体およびササミ 1 検体であった。

(動物分野) 採卵鶏における ESBL/AmpCβラクタマーゼ産生大腸菌の保菌状況を調査
採卵鶏におけるESBL/AmpCβラクタマーゼ産生大腸菌の保菌状況を調査した(国立医薬品食品衛生研究所等)。採卵鶏からの ESBL/AmpC 大腸菌の検出陽性率は 42.9%(35/82)であり、若齢群 56.1%(23/41)及び老齢群 29.3%(12/41)と前者は後者に比べて、高い傾向であった。分離株全 68 株の ESBL/AmpC の遺伝子型を決めたところ、CTX-M-1 が最も多く(39.7%, 27/68)、CMY-2 が 30.9%(21/68)とこれに続いた。

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