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社会保険のレセプトデータを利用した成人・小児の急性上気道炎に対する抗菌薬使用状況の調査(調査期間:2012 年 4 月~2017 年 7 月)

さらに、JMDC のデータベースを用いて、2012 年 4 月から 2017 年 7 月の間の患者情報、診断情報、治療情報、医療施設情報を抽出し、抗菌薬処方傾向とその関連因子について検討した研究がある[文献 5 ]。その結果、8,983,098 名の延べ受診者数のうち、非細菌性上気道炎は 17,208,787 名であった。月の平均処方回数は 100 非細菌性上気道感染症による受診あたり 31.65であり、調査期間の開始月と終了月の間に19.2%の減少がみられた。
※非細菌性急性気道感染症 100 患者あたりにおける抗菌薬処方数の推移のグラフは、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2019 の 71 ページ 図 4 に記載されています。
また、処方された抗菌薬のうち、89%が広域抗菌薬(第 3 世代セファロスポリン、マクロライド、フルオロキノロン)であった。また、抗菌薬処方の因子の検討では、60 歳以上の患者に比べ、13-18 歳、19-29 歳、30-39 歳で抗菌薬処方割合が高く、内科、耳鼻科での抗菌薬処方率が高かった。また、診療所や有床診療所では、その他の医療機関に比べて抗菌薬処方割合が高かった(表 87)。
本研究では 2012 年 4 月から 2017 年 7 月のレセプトデータを用いているが、2005 年のレセプトデータを用いた既出の研究 2と比較し、抗菌薬処方率が低かった。ここから、非細菌性上気道感染症に対する抗菌薬使用が適正化されてきたことが推測されるが、併存疾患として細菌感染症病名がある場合を厳格に除外したことによる影響も考えられる。今回の検討で非細菌性気道感染症 100 例あたりに使用された抗菌薬処方回数は 31.65であったが、非インフルエンザ性の急性上気道炎に対するガイドラインに則った抗菌薬使用は 5~7%という報告があり[文献 6 ]、引き続き、非細菌性気道感染症は適正使用の重要な対象であることが推察された。特に、抗菌薬が処方されている年代は若い就労世代(19-29 歳、30-39 歳)が多かった。また、標榜科別では小児科と比べ内科、耳鼻科で抗菌薬処方が多かった。