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社会保険のレセプトデータを利用した成人・小児の急性腎盂腎炎に対する抗菌薬使用状況の調査(調査期間:2013 年 1 月~2016 年 12 月)

成人・小児の急性腎盂腎炎については厚生労働行政推進調査事業費新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「薬剤耐性(AMR)アクションプランの実行に関する研究(H29-新興行政-指定-005)」で検討されている。2013 年 1 月から 2016 年 12 月まで JMDC データベースを使用し、急性腎盂腎炎の病名が付与され、その 3 日以内に抗菌薬が処方、かつ尿検査を施行された患者を対象とし、急性腎盂腎炎の罹患率及び抗菌薬使用割合が検討された。対象 3,743,174 人 11,884,471 人年の内、急性腎盂腎炎は 20,067 症例認めた。乳児期では男児が多く(罹患率 3 か月未満(F/M): 0.83/3.61, 3-11 か月(F/M): 1.58/2.97)、幼児期(1-3 歳)は男女差を認めなかった(1-3 歳(F/M): 0.53/0.53)。4 歳から 14 歳までは女児が多く、年齢が上がると罹患率は増加した (4-14 歳(F/M): 0.80/0.52, 15-75 歳(F/M): 3.06/1,11)(表 94)。
尿培養は、低年齢ほど採取されていた(1 歳未満:89.8%, 1-3 歳:61.0%, 4-14 歳:27.6%,15-75 歳:30.3%)。使用されている抗菌薬では第3世代セファロスポリン(経口20.3/注射10.5%)およびフルオロキノロン(28.8%)が多かった。ST 合剤は、5.4%の使用であった(表 95)。
医療アクセスの良い本邦では、乳児期まで男児の罹患率が高かった。幼児期以降は、欧米の既存報告と同様に[文献 9 ]、女性の罹患率が高かった。年齢が上昇すると尿培養採取率が低下する事や、全年齢で広域抗菌薬(第 3 世代セファロスポリン、フルオロキノロン)が高い割合で処方されていることから、医療従事者に対して培養採取の推奨や、本邦のアンチバイオグラムを参考にした抗菌薬選択を検討する必要性が考えられた。