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国民健康保険のレセプトデータを利用した成人・小児の外来における抗菌薬使用状況の調査(調査期間:2012 年 4 月~2013 年 3 月)

日本国内の外来における抗菌薬処方について、国民健康保険のデータを用いた研究に拠れば、2012 年 4 月 から 2013 年 3 月までに外来受診した 7,770,481 のレセプトを解析したところ、 682,822 (人口あたり 860) に抗菌薬が処方されていた[文献 1 ]。処方されていた抗菌薬うち、第 3 世代セファロスポリン薬が全体の 35%を占め、マクロライドが 32%、フルオロキノロンが 21%を占めた。処方された抗菌薬のうち 60%が気道感染症(上気道感染症 22%、扁桃炎 18%、気管支炎 11%、副鼻腔炎 10%)に処方されており、胃腸炎(9%)、尿路感染症(8%)、皮膚軟部組織感染症(5%)と続いた。疾患別に抗菌薬処方率をみると、ウイルス性上気道炎 35%、扁桃炎 54%、気管支炎 53%、副鼻腔炎 57%、急性胃腸炎 30%であった。また、急性上気道炎、急性胃腸炎いずれにおいても、65歳以上よりも65歳未満の若い世代、病院よりも診療所抗菌薬処方が多かった(表 82、83)。
この結果、抗菌薬が必要ないと考えられる上気道炎や胃腸炎に多くの抗菌薬が処方されていることが判明した。今後これらの疾患が抗菌薬適正使用を推進するうえでの主要な対象となると考えられる。また、65 歳以上よりも 65 歳未満の若い世代、病院よりも診療所で抗菌薬処方が多かった。今後、診療所において微生物迅速検査の普及や検査体制の整備の必要性が考慮される。